有田焼 佐賀県有田町

[きっかけ]日本の磁器発祥の地である有田はいつか訪れたいと思っていました。見処がたくさんあるので今回は上有田駅周辺を中心に廻って観ました。

[行程]松本空港から福岡空港へ。大阪万博が見えました。木造のリングは空から観ても大きく驚きました。

今回はピンクのFDAでした

電車を乗り継ぎ上有田駅へ到着。途中、吉野ヶ里遺跡公園が見えました。

上有田駅
有田焼呉須絵の案内板

[石場神社]陶祖李参平の像が奉られています。もみじが綺麗でした。

磁器製の李参平像
大正3年に建てられた石手摺。発起人も凄い方々が揃っています。

[泉山磁石場]

陶工之碑
泉山磁石場 この広大な窪地にあった陶石が磁器に姿を変え世界中に広まって行ったと思うと感慨深いです。
足元のタイルに陶片が!

[口屋番所跡]

口屋番所跡 番所が町の上下2か所あり職業別に木札があり厳しく管理されていました。木札は香蘭社に展示されていました。裏のオオイチョウも見処です
陶器製造を管理する御触書

[有田重要伝統的建造物群保存地区]

江戸後期から昭和初期の洋風建築を含む多彩な建物が連なっています。

窯の廃材を利用したトンバイ壁 奥は岩尾磁器工業社屋(大正期)
古陶磁陳列館・香蘭社(明治期)
深川製磁本店(昭和期)
旧田代家西洋館(明治期)

[陶山神社]

陶山神社境内

有田町の町並み 深川製磁が見えます。電車が境内を通る事で有名です。

[今右衛門古陶陶磁美術館]

[有田陶磁美術館]

[グルメ]月桃庵されど

陶山神社の麓にあるカフェにお邪魔しました。陶器や雑貨も販売され店内は落ち着いた雰囲気で居心地が良かったです。お店の方も気さくで、豆乳パスタも美味しかったです。

[まとめ]さすが磁器発祥の地、まだ半分しか廻ってないのに見処満載でした。訪問前はもっとあっさりした町のイメージが有りました。文政11年の大火災や昭和初期の拡幅工事、大きな陶器会社がたくさんあり近代化が進んでいる理路整然とした町を想像していました。しかし、実際来てみると入りくんだ細い道、トンバイ壁、そこかしこに焼物の道具等があり焼物の里らしい魅力的な町でした。次回はいつになるか分かりませんが、有田駅中心に訪れたいと思います。

静嘉堂@丸の内

東京都千代田区 2025.6月

[きっかけ]国宝曜変天目茶碗を目当てに「黒の奇跡」展に行きました。

[行程]北陸新幹線で東京駅に行き徒歩で美術館のある明治生命館に行きました。梅雨入りして小雨が降っていましたが街路樹の緑が綺麗でした。

[静嘉堂@丸の内美術館]三菱財閥2代岩﨑彌之助4代小彌太父子が収集した美術品を収蔵。国宝7点重要文化財84点古書籍20万冊と約6500点の東洋古美術品を収蔵。2022年世田谷から丸の内へ移転しました。東京駅から徒歩圏内なのは便利ですね。

[黒の奇跡展]黒をテーマとした企画展で陶磁器の他に刀剣や漆芸品もありました。昨今の刀剣ブームの為か、刀剣展示前は混んでいました。

[曜変天目茶碗(国宝)]

建窯・南宋時代(12~13世紀) 稲葉天目

実際に見ると写真ほど鮮やかな青みは無いように思えましたが、とても薄く軽そうで、その輝きは唯一無二の逸品でした。

[油滴天目茶碗(重文)]

建窯・南宋時代(12~13世紀)「新」銘

朝顔形に大きく開き、油滴がとても綺麗でした。

[色絵吉野山図茶壺(重文)]

野々村仁清・江戸時代17世紀

仁清は書籍でよく目にしていたのですが興味はありませんでした。ですが、今回初めて間近で拝見すると面白かったです。例えば、細かい大小の金箔を貼っていたり、下部はザックリとした土味を見せていたり。もっと他の作品を見たいと思いました。

[黒樂茶碗]長次郎、一入、宗入や高橋道八の「黒楽不二図茶碗」が小さなケースにまとまって展示されていて、とても贅沢だと思いました。

[お土産]

曜変天目茶碗と黒織部茶碗うたたね

「漁師がうたた寝をしている姿」に似ているので「銘うたたね」なのですが、無理矢理感が良いですね。他の説も有るのかな?と想像してしまいます。

[グルメ]カフェ1894

隣の三菱一号館美術館にあるカフェ1894でアフタヌーンティーセットを頂きました。復元された内装を見ながら寛ぐ事が出来ました。

旧銀行営業室を忠実に再現した内部
アフタヌーンティーセット

[まとめ]

今回の訪問は東京駅舎等々、明治レトロの雰囲気を味わいながら陶磁器を楽しむ事ができました。静嘉堂には名品がまだまだ有ります。展示の機会を楽しみに待ちたいです。

出光美術館 陶片室

東京都千代田区

[きっかけ]2025年から始まる帝劇ビルの建て替え工事により出光美術館も暫く休館するそうです。建替え計画は知りませんが「もしや陶片室は無くなってしまうのでは?」と思い見に行きました。

[行程]北陸新幹線に乗り東京駅まで行き、皇居外苑周りで20分程歩いて行きました。

帝劇ビル

[出光美術館]

出光美術館 開館前は行列が出来てました。

[陶片室]小山富士夫氏と三上次男氏により集められた陶片が展示されています。

以下、出光美術館のHPより抜粋

陶片室では日本をはじめアジア各地の遺跡や窯跡から出土した世界各地の貴重な陶片資料を常時展示しています。やきものの新たな魅力やおもしろさを発見できる当館ならではの展示室です。

陶片室 展示室5

陶片室について

出光美術館の陶片室は、古陶磁を学ぶための特色ある展示室として、昭和41年(1966)の開館と同時に開設されました。
当館では、伝世する名品の展観とあわせて、古陶磁の魅力や歴史をより深く理解するために、そのうつわが焼かれた窯跡や使われた生活遺跡から出土した、いわゆる陶片を重要視してきました。
この展示室には、アジア諸地域の古窯跡あるいは重要な都市・港湾遺跡などから発見された古陶磁片を陳列しています。日本各地の古陶磁片(猿投窯・中世六古窯・美濃窯・古唐津・伊万里・鍋島など)はもとより、朝鮮半島・中国・ベトナム・タイ・イラン、さらにはエジプトの中世遺跡であるフスタートから出土した貴重な陶片などを多数ふくんでいます。

日本の陶磁史研究において陶片資料を使って大いなる業績を残したのが、出光美術館理事であり国際的にも著名な2人の学者、小山冨士夫先生(1900~1975)と三上次男先生(1907~1987)です。この2人の先達の学識こそが、当館の陶片コレクションには貫かれているのです。
とくに陶片室の開設に尽力されたのは、小山先生でした。小山先生の中国宋代の名窯、定窯々跡の発見は世界的に有名で、また国内では中世の古窯跡を調査し、「中世六古窯」の概念を確立させました。昭和初期以来続けられた古窯跡調査や陶片を利用した科学的な研究方法は、国内の研究者に広く影響を与え、現在の陶磁研究の方法論の基礎を成しています。
さらに、三上先生は、中国の古陶磁片を調査研究することで壮大な学説を提唱されました。出光中東調査団のエジプト・フスタート遺跡調査(1964年)に端を発する東西の貿易ルートの調査により、「陶磁の道(海のシルクロード)」という概念を確立させたのです。現在では「絹の道」とならび、「陶磁の道」は世界的な貿易ルートとして認識されるに至っています。

  • 小山冨士夫先生小山冨士夫先生
  • 三上次男先生三上次男先生

当館は、これからも小山・三上両先生の遺志を継いで、研究資料としての内容を充実させるとともに、多くの皆さまに陶片の鑑賞を楽しんでいただけるような展示を目指し、陶片室の充実に努めてまいります。興味をもって古陶磁を学んでいただく機会となれば幸いです。

[余談]企画展示が行われていました。

「物、ものを呼ぶ」伴大納言絵巻から若冲へ

企画展のパンフレットより
陶片室にも板谷波山の作品の破片が有りました。

[まとめ]破片や窯の中でひしゃげて割れた陶片を見るのは面白かったです。幻と呼ばれる古唐津の山瀬で焼かれた破片も見ることができ嬉しかったです。新しい美術館がどの様になるのかはわかりませんが楽しみに待ちたいと思います。

大阪市立東洋陶磁美術館

大阪市中之島

[きっかけ]

リニューアルオープンを記念して「シン・東洋陶磁展」が開催されるので見に行きました。

[行程]

松本空港から伊丹空港へ

8月限定でJALが運行しています。

50分程で伊丹空港へ。

大阪国際空港(伊丹空港)

リムジンバスで難波へ行き、地下鉄で中之島公園へ向かう。

大阪市立東洋陶磁美術館

[大阪市立東洋陶磁美術館]

安宅コレクション+李秉昌コレクション+ 濱田庄司ら日本作家の寄贈品等、1500点が収蔵され、国宝2点(油滴天目茶碗・飛青磁花入)、重要文化財13点を含む約400点が展示されていました。自然光を利用した展示、回転台展示、耐震台、写真撮影可等、昔と比べ変わったなと思いました。回転台に乗せられ、ゆっくりと回るMOCOのビーナスと称される加彩婦女俑は美しく、ふくよかで愛らしく優美でした。

国宝飛青磁花入 自然光展示
木葉天目茶碗

[グルメ]

エントランスとカフェが増設されたので行ってみました。景色も良くゆっくりできました。

飛青磁ドリンクと木葉天目ケーキ
木葉天目ケーキ美味しかったです。
飛青磁ドリンク、1ヵ所ハートになっているのがお茶目で可愛いですね。

[まとめ]

中国・韓国・日本の陶磁器が体系的に展示されていて、まるで教科書のようでした。

又、美術館の有り様の変化を感じました。写真撮影が許可されていたり、カフェやミュージアムショップが充実していたり、楽しみ方が広がりとても良いと思いました。

唐津焼

佐賀県唐津市

[きっかけ]

佐賀県は有名な焼き物の産地が幾つも有ります。先ずは唐津焼から訪れたいと思いました。

[旅の行程]

松本空港からFDAに乗り福岡空港へ

空港地下鉄に乗り電車を乗り継いで唐津駅へ

唐津駅
扉の取っ手が唐津焼!

唐津駅に隣接する物産館2階に唐津焼展示が有ります。1階はお土産屋です。

唐津市ふるさと会館アルピノ

唐津駅から徒歩10分程で御茶盌窯通に着きます。

唐津焼のタイル

唐人町御茶盌窯跡

細い路地を入ると急に現れる御茶盌窯跡。窯跡は大抵、上部が潰れて無くなり床だけの状態になります。しかし、ここは崩れること無くその姿を見ることが出来ます。災害に会わず保存されていくことを願います。

御茶盌窯跡

中里太郎右衛門陶房

中里太郎右衛門陶房

中に入ると達磨像がお出迎え。大きくて眼光鋭く迫力が有ります。工房作品と太郎右衛門作品が展示販売されています。

11代中里天佑作達磨像

御茶盌窯記念館

御茶盌窯記念館

素敵なお庭と建物に囲まれて古唐津から現代までの作品を間近に見ることが出来ます。本当に素敵で素晴らしい場所です。

[グルメ]

呼子のイカが有名です。唐津駅から昭和バスに乗り40分程で呼子に着きます。朝市はとても賑わっていました。

呼子朝市
イカシュウマイ

イカの姿造り

[まとめ]

 ずっと訪れたいと思っていた記念館や窯跡は素晴らしく、感動しました。記念館や陶房の案内をして下さった方々が親切丁寧にご説明下さり、本当に楽しかったです。お土産の器を使う度に旅の思い出がよみがえり、又直ぐに行きたくなりました。

日本民藝館

[きっかけ]大分県小鹿田焼の里を訪れて、思想家柳宗悦・日本民藝館に興味を持ちました。新作工藝公募展に合わせて訪れました。

[旅の行程]北陸新幹線に乗り東京へ向かい電車を乗り継ぎ京王井の頭線駒場東大前駅へ。駅から歩いて5分程で着きました。

 [日本民藝館]

日本民藝館看板
日本民藝館本館
新作工藝公募展

日本民藝館に入るとシンメトリーな中央階段に圧倒されます。常設の展示品・新作展も素晴らしいですが、ベンチや回廊の手摺も美しく、柳宗悦の意匠が感じられます。

[まとめ]

新作展中と言うこともあり混雑していましたが、なぜか静かで穏やかな時間が過ごせました。西館(旧柳宗悦邸)は休館日だったので次回はそちらも見学したいと思いました。

小鹿田焼

「きっかけ」歴史・作風・環境、全ての点で私の理想の陶郷。コロナ禍も収束したので行きたいと思いました。

「旅の行程」2023.5.31-6.2

オレンジのFDA

信州まつもと空港から福岡空港ヘ 

福岡空港から西鉄高速バスに乗り日田駅ヘ

日田駅
進撃の巨人リバイ兵長がお出迎え

日田駅のバスターミナルから30分で小鹿田焼の里ヘ。日田市は林業が盛んで、山に近づくと杉の木材置場がたくさん有りました。廃材を薪として使うそうです。

北九州地方では陶器の産地を皿山と呼ぶようです
小鹿田焼陶芸館

歴史や保存地区指定の背景が詳しく説明されていました。細かい配合実験も展示してあり面白かったです。狭い資料館ですが長居してしまいました。

小鹿田焼は国の無形文化財です
狭い地区に登り窯がひしめき合う
唐臼
こんな所にも小鹿田焼?

[グルメ]

山のそば茶屋さん

お店の雰囲気も良く、美味しかったです。小鹿田焼の器も嬉しかったです。

[まとめ]

国の重要無形文化財「小鹿田焼」の保存条件は大変厳しいものです。例えば、一子相伝、皿山の土だけ、作風の指定等々。それに加えて重要文化的景観に指定され、窯元の方々のご苦労は相当な事だろうと思います。あまり厳しくし過ぎるのも良くないのではないかと思いました。変化するもよしとして、又、訪れたいと思いました。

堺市「茶のうつわ」展

[きっかけ]

偶然に「茶のうつわ」展の記事を読み、拝見したいと思いました。

[旅の行程]2022.9.27-28

信州まつもと空港からFDAに乗り神戸空港へ。

神戸空港から電車を乗り継ぎ、堺駅に到着。

駅構内に南蛮屏風図が有りました。

[さかい利晶の杜]

堺出身の千利休と与謝野晶子の資料館

企画展「茶のうつわ」

資料集「茶道具拝見」堺市博物館より

貴重な遺物がずらりと並び、素晴らしい展示でした。又、実際に出土した破片に触れられるコーナーがあり、とても感動しました。

[堺市博物館]

世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の仁徳天皇陵古墳の隣

茶人武野紹鴎像が出迎えてくれます

古墳についての展示はもちろん、自由貿易都市堺についても素晴らしい展示でした。

[まとめ]

大阪夏の陣で被災した赤い焼土の中には良好な状態で沢山の遺物(堺商人のコレクション)が未だ、残っているらしいです。今後の発掘に期待します。

堺市は見所が多く、1日では周りきれませんでした。また訪れたいと思いました。

越中瀬戸焼

やきもの探訪記

越中瀬戸焼 富山県立山町

きっかけ:当店へ富山県からいらしゃった陶芸体験者様に教わりました。地名に[瀬戸]が残っていることに興味を持ちました。

旅の行程:2022年4月20日

北陸新幹線で富山駅へ

近代的で綺麗なターミナル駅でした。

富山地方鉄道立山行きに乗り換え

レトロな電車

五百石駅に到着

駅前に花瓶と看板があり紹介されていました。タクシーで15分程で陶農館へ着きます。

遠くに立山連峰が見えます。

現在はとても長閑な場所ですが、かつては窯が20基程あり陶工や薪の切り出し人、運搬業者など大勢の人が住み賑わっていたのでしょう。

帰りは40分程歩き最寄駅の釜ヶ淵駅へ

駅名も窯場と由縁がありそうです。木造の無人駅でした。

特徴:陶器、黄瀬戸・鉄釉・飴釉・藁白等。茶陶から日用雑器、瓦等々。当然ながら本家の愛知県瀬戸焼の流れをくむ。磁器、色絵付は見あたらない。

富山市観光:富山駅周辺に観光スポットが凝縮していて楽です。今回は富山市のHPのモデルコースを参考に運河クルーズを楽しみました。ガイドさんが地形や歴史文化などを説明してくださってブラタモリのようで楽しかったです。

グルメ:駅構内にとやマルシェなるグルメお土産店街があり、ブリ蟹、白エビ、ホタルイカ、ブラックラーメン寿司等揃っています。

こちらのお店で生白エビ丼をいただきました。店の雰囲気も漁港の居酒屋っぽくて良かったです。あら汁もとても美味しかったです。

まとめ:北陸の焼き物に九谷焼があります。磁器の白い器面に鮮やかな絵付けがされ煌びやかです。対して越中瀬戸焼は一見地味な色味です。しかし素朴でとても美しいです。対照的な美が加賀藩という狭い地域で共存していたと考えると面白いと思いました。そして越中瀬戸焼が途絶えることなく後世に続くことを願います。